睡眠負債とは?
睡眠負債とは、睡眠不足の弊害がどんどん膨らんでいくという状態を表した用語です。
気づかないうちに溜まりに溜まっていく「睡眠の借金」と言えます。
仕事の残業で家に帰る時間が遅くなったり、朝早く会議があってあまり眠れなくて、睡眠不足に陥ったりすることがあります。
睡眠はただ休んでいる時間なだけで、寝る時間を削っても別に何も影響が無いと思っていると、日常生活に支障をきたします。
睡眠時間は1日最低でも6時間以上はとらないと、徐々に睡眠負債が溜まってきます。
睡眠不足による影響
睡眠不足による睡眠負債の影響は、負債が増えれば増えるほど、体の健康状態や脳の働きに弊害を及ぼします。
睡眠不足によって脳内のコルチゾルというストレスホルモンが増加し、感情や思考、記憶などをつかさどる前頭前野などの活動性が低下します。
それにより、正常な状態の時のように頭や体を働かせることができなくなります。
また、徹夜が続くと、正しい時間に寝ることができなくなり、慢性的な不眠症になります。
日常生活への支障
不眠症になると、さらなる睡眠負債が溜まっていき、日常生活に支障をきたし始めます。
例えば、仕事をしていても眠気が襲ってきて集中できなくなったり、物事に対しての反応速度の低下により仕事効率が著しく低下したりします。
睡眠不足は通勤の時にも影響があり、車で会社まで通勤する人は特に注意が必要です。
睡眠不足は判断力や反射能力の低下を引き起こす為、運転を誤る危険性が高まり、大事故につながります。
睡眠不足で運転をする事は、飲酒運転をしているのと同じくらい危険な状態です。
睡眠不足は酒気帯び状態と同じ能力
人間は、連続で起きている時間が12時間くらいまでが正常に判断、行動をできる限界で、それを超えてくるとヒューマンエラーを起こす確率が著しく高くなります。
15時間以上連続で起きている状態は「酒気帯び状態」と同じ程度の作業能力しかなく大変危険です。
24時間を超えてくると、血中アルコール濃度が0.1パーセントの時と同等な状態になり、これはビール大瓶を1本飲んだ時に相当します。
睡眠不足は、自分だけではなく周りにも大変迷惑をかけてしまいます。
睡眠負債の対処策
睡眠は貯める事はできませんが、昼寝をしたり休みの日に少し多めに寝ることによって、正常な状態に近づけることができます。
仕事が忙しくて普段は寝る時間があまり取れない場合は、昼寝や休日の睡眠で睡眠負債を返済するようにしてみましょう。
よく眠り健康な状態の体で日常生活を送ると、効率良く安全に日常の仕事をこなすことができます。
ただし、たくさん寝れば「寝だめ」できるというわけではありません。
毎日「睡眠不足をためない」ことが大事です。
そのためにも、「質の良い睡眠」が取れるよう生活スタイルを整えましょう。